東 博己さん(株式会社ろのわ 社長)インタビュー

ホタル舞う里山で、父子二代にわたり自然と共生する有機農業を実践。「食の幸せ」を想いとともに届ける。

EOS「夏ギフト2022」でJWティーと有機栽培米のコラボレーションが実現した熊本県菊池市の「ろのわ」東博己さん。太陽と水、大地の恵み、そして東さんの愛情とこだわりが詰まった有機農作物は、自然の生命力にあふれた豊かな味わいです。

旭志は日本有数の生息地としてホタルが飛び交います。
photo by Kouji Higashi

豊かな自然が息づく地で父の想いを引き継ぐ

―熊本県菊池市で、父子二代にわたり有機農業を営む「ろのわ」の東博己さん。「ほたる米」をはじめ安心・安全でおいしい農作物の数々は、どんな環境で育まれるのでしょうか。

「ろのわ」がある菊池市旭志は、阿蘇外輪山のふもと、雄大な自然が息づく地域です。澄んだ空気と、湧き出たばかりの清らかな伏流水、遮るものがなくさんさんと降りそそぐ太陽……。5月下旬〜6月上旬には数え切れないほどのホタルが舞い、手をのばせば届くほど。それでお米に「ほたる米」と名付けました。

―聞いているだけで心が洗われるような里山の風景ですね。「ろのわ」のお米が特においしい理由がわかりました。そんなすばらしい環境でさらに、お父様の代から有機農業に取り組み始めたとか。

「ろのわ」では30年以上農薬を一切使用しておりません。

父は思い立ったらとことん追求する一徹な人でした。「ろのわ」の前身である東農場ではそれまで、他の農家と同じく農薬や化学肥料を使う農業を行っていました。しかし、私の子どもが生まれたのを機に、父は「せっかく農家をやっているのだから、自分の孫には本物の米や野菜を食べさせたい」と心を決め、無農薬・無化学肥料栽培へ大きく方向転換したのです。1991年のことです。

―国が「有機JAS」規格を定めたのが2000年ですから、時代に先駆けた挑戦だったわけですね。苦労も多かったのではないでしょうか。

当初はノウハウ不足で、失敗も多かったですね。有機栽培は手間がかかるわりに生産量は少なく、不揃いだったり見栄えもよくない。それでいて価格が安いわけでもありません。それでも父は信念を貫き、やがて食の安心・安全を求める消費者の方々が、実直な生産者の顔が見えると信頼を寄せてくれるようになりました。昼は農作業、夜は車で1時間以上かかる熊本市のほうまで一軒一軒配達。そうして少しずつ販路が広がっていったのです。

栽培〜加工〜販売まで一貫体制を実現

―その後、「株式会社ろのわ」を2006年設立。有機JAS農産物を一貫体制で栽培・加工・販売する会社となりました。

会社名の「ロノ」はハワイに伝わる収穫の神様に由来します。「わ」は、和(国産へのこだわり)、輪(信頼でつながる)、環(循環型農業)の意味を込めました。

「ろのわ」の商品はすべて自社で農薬や化学肥料を使わず栽培。加工も機械まかせではなく心を込めた人の作業を大事にし、袋やパック詰め、販売まですべて自分たちで行っています。また、旭志は畜産も盛んですので、農畜連携で生産した良質な完熟堆肥を土づくりに活かすなど、地域に根ざした循環型農業を実践しています。

―現在、栽培している作物は。

耕作面積は父の代の5ヘクタールから20ヘクタールまで広がり、田んぼでは米と麦、畑では麦と雑穀を栽培しています。6月に田畑で麦刈りをしたら、田んぼには水を入れて田植えをし、畑は7〜8月に雑穀の種をまきます。そして10月下旬にそれぞれ収穫したら、また麦の種をまくというサイクルです。

自然の営みのなかで育む生命力あふれる作物

―有機農業と、農薬などを使う通常の農業との育て方の大きな違いを教えてください。

農薬や化学肥料を使う農業では、作物ごとに使う種類や使用時期、濃度、量、回数などが細かく決められています。一方、有機農業の場合は、こうした「技術」とよべるものはあまりありません。人間にできるのは、自然が本来の力を発揮できる環境を整えるところまで。有機堆肥をつくって土に与え、「しっかり育って!」と願いながら田植えや種まきをしたら、あとはお日さまと自然の生命力にまかせるのみです。

―だから、たくましく育つんですね。ただ除草剤を使わない有機農業は、雑草対策が大変だと聞きますが。

そうですね、草取りは唯一、技術といえるかもしれません(笑)。成長速度に勝る雑草は、作物が育つのを妨げてしまいます。そこで「ろのわ」では、経験から、いったん雑草を生やし、雑草ごとトラクターで耕してから作物の種をまくという方法をとっています。こうすると次の雑草が生えてくるのに時間がかかり、作物が先に成長するのです。作物自身が強く育てば、自然と雑草も抑えられます。

また、田植え直後のやわらかな苗を食べてしまう田んぼの厄介者スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)も、私たちは除草に役立てています。通常は対策として動き回らないよう水を浅くするのですが、逆に水を多く入れて深くします。すると泳ぎ回って、生えてきた雑草を食べてくれるのです。稲も少しは食べられますが、うちの稲は元気に茎が増えるので大丈夫。これは水が豊かな環境ならではの方法ですね。

―有機農業は、地域の環境や生命の営みを上手に活かす方法でもあるのですね。

収穫のタイミングも、自然から教わっています。たとえば稲ならスズメ。数羽じゃまだまだ。大群でワーッと押し寄せて来たら、いちばんおいしい食べごろということです。また、麦は収穫期になると、殻が乾いて実からはがれるパチ、という音がします。だから、麦畑で目を閉じて、じっと耳をすまして……、いっせいにパチパチと音が鳴り始めたら急いで収穫です。人間が判断するより、最高においしい状態がわかるんですよ。

農村環境の健康を守り未来へ紡ぐ

自然のなかで食べる「ほたる米」は格別。

―黄金色に輝く穂、収穫期を告げる麦音。ずっと残ってほしい、次世代につなぎたいふるさとの風景ですね。今後取り組んでいきたいことはありますか。

この豊かな自然を守り、共存しながら、地域に貢献していきたいと思っています。たとえば、高齢化などで継続が難しくなった田畑があれば私たちで借り受けています。「ろのわ」の耕作面積がどんどん増えているのは、それも理由の一つです。

自然災害が増えている近年では、田畑がもつ防災機能も注目されています。雨水を一時的に貯めるなどして、豪雨や地震の際に洪水や土砂崩れを防いでくれるのです。農業を続けることで、地域防災にとっても重要な田畑の健康も守っていきたいと思います。

JWティーとのセットで健康と幸せを贈りたい

―農村環境の健康を守っておられる東さん。ご自身の健康法などはありますか。

玄米や雑穀を混ぜたごはんを毎日食べていますね。自然の恵みは植物の命でもあります。だから感謝して、おいしくいただく。自然の生命力が、私の健康の源です。

―JWティーもEOSの創業間もない頃から長くご愛飲いただいています。

くせのない飲みやすさが気に入って、ふだんからJWティーを飲んでいます。

―「ろのわ」とJWティーには、自然の恵みが詰まった商品であること、JWティーを生み出した父サー・ジェイソン・ウィンターズと息子サー・レイモンドのように父の想いを息子が未来へ継承していることなど、根底に流れるものに共通項を感じます。だからこそ「夏ギフト」は、贈る方への想いが伝わるセットになりました。

そうですね。お互いに食べて健康、飲んで健康に貢献できる商品としてコラボレーションがついに実現し、私もとてもうれしく思っています。食べる方に幸せを感じてほしい、健康になってほしいと願いながら作っている作物たちですので、JWティーとともにそんな想いが伝わったら私たちも幸せです。

からだもこころも喜ぶ「ろのわ」の有機栽培米

ギフトセットで味わい尽くす!

粘りが強く、かむほどにお米本来の甘みが広がる「ほたる米」。雑穀とのブレンドや玄米も味わい深い、大地の恵みです。

食べて幸せ、
笑顔がこぼれるお米
  • 赤米ブレンド

    古代米として知られ、ビタミン、ミネラルなどが豊富な赤米をブレンド。桜色の上品なごはんに。

  • 十穀米ブレンド

    使用している米、麦、雑穀はすべて自社栽培・有機JAS。もちもち食感がたまらない!

  • 玄米

    栄養たっぷりの玄米は、しっかりかんで食べる健康食。白米にお好みの割合で混ぜてどうぞ。

株式会社ろのわ
〒869-1202
熊本県菊池市旭志麓484
TEL.0968-37-3932
https://www.organic-lonowa.co.jp/

東 博己 さん

1962年熊本県生まれ。農家の長男として跡取りを自覚しつつ育つ。高校〜日本大学時代は馬術の選手としても活躍。帰省時に食べる自宅の米の美味しさにはいつも驚かされていた。大学卒業後は都市の「生活」から旭志での「暮らし」に戻るべく、地元に帰り就農。馬術を通じて出会った妻と「馬が合って」結婚、子どもが生まれたことが父が有機農業を始めるきっかけとなった。「株式会社ろのわ」で地域に根ざした循環型社会をめざすとともに、今後は「地域に『ろのわがあってよかった』といわれるような貢献をしていきたい」と語る。

ジェイソン・ウィンターズ・ティー